モネからリヒター ポーラ美術館を訪ねて

ポーラ美術館のある箱根はあいにくの雨模様。

その雨すら、作品のよう。

大きな荷物をロッカーにつめ、いざ作品鑑賞へ。

モネからリヒターへ(ポーラ美術館開館20周年記念展)

観光名所であるし、入ったときより、館内は混雑していた。

ルノワールから始まり、ピカソ、スーラ、モネと続く。

ピカソは初めて自分の目で作品を見たかもしれない。

モネの”国会議事堂、バラ色のシンフォニー”は吸い込まれるようなそんな感覚がした。

キュビズムは正直わからないが、自分の目で見たという事実が、経験のような気がする。

アンリ・マティスの色鮮やかなタッチは心がウキウキするような感覚。

リュート”の赤色は気分まで明るくするようだ。

日本の画家の作品ももちろんある。

村山槐多の”湖水と女”は、あのモナリザを想起させた。

レオナール・フジタ、いや、藤田嗣治といおう、

乳白色のなんともいえない藤田独自の色合いは、毎回さすがと思わせる。

初めてみたが、”ベッド上の裸婦と犬”は、モネのオランピアのオマージュのよう。

日本人画家でもとても目を引かれた松本竣介

夭折したことしか知識がなかったが、”街”という作品で、

緑なのか、緑がかった青に包まれてる街に、ズズっと引き込まれた。

なぜなのかここで言語化できないことが悔やまれる。

周りに鑑賞者が多数いたためできかねたが、もう少しみていたかった。

展示は絵画だけでなかった。

アニッシュ・カプーア、全く知らなかった作家だが、

”Mirror”はとてもおもしろい作品だった。

直径1mくらいの黒色の円形なのだが(私には浅い漆塗りの椀に見えた)

その作品の前に立ってみると、逆さになった自分が浮き出て映り込むのだ。

その現象が面白く、年甲斐もなく作品の前で左右に揺れてみたりした。

まだまだ見どころのある展覧会だったが、ゆっくり見れなかったことが残念。

展示室が別れているという点がよかったように思う。

次に何があるのか、というワクワク、期待感が生まれたからだ。

美術館は展示物を見るだけでなく、こういった構造を生かした魅せ方があるから面白い。

この展覧会は9月6日で終了してしまったが、

次の17日から始まった、ピカソ 青の時代展も期待したい。